Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
だから、半分はよく解らない。ぺしゃんこな板草履をはき、前垂れともモンペとも知れぬ手織縞を裾みじかに着、事、白虎隊の説明になると、声涙ともにくだるばかりな情熱をおびてくる。咄々、吃々として、紅顔十五から十七歳までの少年十数名が、祖城の亡ぶ炎をかなたに刺しちがえて死んだ――あの維新惨劇の一場面を語ってゆく。
白虎隊は、お婆さんの話でも、つまり“幕末維新のひめゆりの塔”である。気の小さいぼくなどは、お婆さんの指さす、秋日の下の視野を、とても観光客気分で、うららかそうに楽しんでもいられなくなる。
――で、つい眼を伏せながら聞いていると、お婆さんはぼくの肩を小突いて、「よく見さい、あこンとこで、白虎隊の有賀織之助どのサ、ふかでを負いながらも、やいばサ杖に、まだ十六の鈴木源吾どのサ肩にかけて――」と、いちだん声を上げて説明しつづける。
まことに、会津的なと思える素朴さと共に、会津人かたぎの一徹みたいなものが根づよく潜んでいる。「人国記」の筆者にいわせれば、この山川風土と長い封建のせいにするかもしれない。とにかく、愛すべき飯盛山のお婆さんではあった。若松市の名物婆さんとして市は可愛がってあげるがいい。