Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
とはいえ、こういうすさまじい生活力に触れることは、ぼくらにはよい刺激である。何よりは素肌に庶民そのものを見せてくれる。まともに顔を向けていられないほど強烈な野性だが、この野性にも結びつく根をもった文化でなければほんとではない。案外、国力なんていうものの培養土はこういう土壌にあってぼくらの過信している辺にはムダ花ばかりで社会栄養となるものは稀少なのではないか。そんなことを思わせられながら、まじりまじりと、ただこの一団の、いや数十団のどよめく生き方を見まもっていた。
新潟駅には、もう灯がチラついている。ホームに、迎えてくれる幾つかの人影を見る。たれがたれやら分からぬうちに、車へ移り、予定の旅館へ行き着く。
静かな町、旅館も静けき屋造り。小甚別館という。階下の袖部屋つき中広間は、書院窓、竹窓などから、秋草や野菜畑の景ものぞかれ、一方の廊下側の外は、高い煉瓦塀であった。旅嚢も疲れもほうり出して、やれやれと、まずは、くつろぐように出来ている。
ところが、その晩の椿事出来は、この風趣に起因するところが多い。
いや椿事は、真夜中のことで、宵の灯の下には、山後支局長やら長岡からわざわざ出て来られた反町栄一氏などが、あすのコース準備や、地方雑談や、またぼくのために、あれこれ配慮しておいてくだすった史蹟史料面の打合せなど