Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
振仰ぐと、山家の少女と、お寺の娘さんたちでもあろうか、高い観音さまの台座からその巨大な膝を巡りまわって、三、四人が腰かけてみたり、歌いたそうな眸をしたり、ちょうど、菩薩を繞る飛天女のように、戯れていたのだった。
町中なら平凡なワンピースやスラックスの色が、何か、天平風俗の裳や袖のように見えた。彼女たちは、ぼくらの眼を感じると、あわてて台座を駆け下り、そして、ぼくらより先に、鵯越えの小道をどんどん降りて行った。下に待たせておいたぼくらの自動車の社旗を見て、何事かと、登って来たものらしい。
日暮れを惜しんで、そこから一気に、駒ヶ林の海岸まで走らせた。ここでは川辺氏が潮流と兵船碇泊の関係を説明され、またこの地方特有のやまぜ(東南風)のことなど話される。
淡路島は、つい目のさきにある。屋島の平家が、場合により、そこを足掛りとしたろうことは、想像に難くない。
たとえば、熊谷直実が、敦盛のかたみを、淡路の福良にある父経盛の許へ届けてやったという話なども、ありそうなことに考えられる。そのほか、島に幾つとない平家史話がこぼれているのも、地理的に見て不自然ではない。