Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
そこで、首渡しとは、どんな風習かというと、鉾や太刀のさきに刺し貫いた敵将の首を、高々と掲げて諸人に誇示して歩くのである。首の髻には、赤い絹が結い付けてあり、「賊将源義仲」とか「賊党今井四郎兼平」とかおのおのの姓名が書きつけてある。
いつの時代も、人間には弥次馬性がつきものだから、これに市をなすばかりな見物人が出たところで、そのことにはなんのふしぎもない。けれど、盛衰記や醍醐雑事記によると、同日、後白河法皇もわざわざ御車を六条西洞院の辻に立ててこれを御覧になったとある。これはなんとも、吾人には、あと味のよくない記録である。いかにお憎しみであろうと、少なくも昨日までは院庭に見ておられた義仲である。昇殿もゆるされ、将軍号まで与えられた臣下なのだ。臣下の罪はまた法皇にも一半の御責任はあるはずである。どういうお気もちで御見物になったろうか。帝系のお人には稀れに見る心臓のお強い法皇であらせられたというほかはない。
また、参考源平盛衰記には、義仲の首には、左右の眉の上に疵があって、その疵かくしに、米の粉が塗ってあったと、描写してある。余りに観察が細かすぎるから真偽はわからないが、何か、眼前に髣髴としてくるようだ。