Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

その二人は厚く白粉を塗り、鼻がばかになるほど安香水を匂わせ、すぐに客の膝へ腰掛けたり、客の吸っているタバコをひったくって吸ったりするのが、現代的サービスだと信じきっているような女性であった。

おさいは白粉もつけず、ふだん着のままで店にあらわれ、てきぱきと料理の皿やビールや酒を、運んだりさげたりしながら、客たちがもっとメートルをあげるようにと、絶えず、巧みに女給を煽るのであった。しかし、自分は決して客の相手にならず、話しかけられても簡単に受けながすだけだし、諄く冗談を云われたり、躯へ触られでもしたりすると、客のほうで消えてしまいたくなるほど辛辣な言葉で、てきびしく容赦なくやりこめた。

――おらんとこの五号船のぶっくれエンジンみてえだ。

東湾汽船の三十六号船に乗っている留さんがそう云った。その五号船はごく古いもので、エンジンを発動させると凄いような排気音を放ち、船ぜんたいをばらばらにするかと思うほど揺りたてる。五号船に乗っているあいだは、「うっかり口もきけない」といわれるくらいであった。

そのおさいが元井エンジを好きになった。きっかけを作ったのは、云うまでもないがおさいのほうだ。