Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
おらあ抵抗しなかった
若者もそれっきり姿を見せなくなったし、どこの誰ともついに判明しなかった。「おらが佐倉宗五郎だってよ」と住民たちは思いだすたびに感嘆しあっていた、「ああいう命知らずの骨っぽい人間が、もう五六人いてくれたらなあよ、ふんとに、あんなえれえやつはそうざらにはいねえもんだぞ」
汚物処理場がどうなったか、私は覚えていない。
おらあ抵抗しなかった
秋の夜の九時ころ、船宿「千本」の店先に縁台が三つ出してあり、船頭や漁師たちが、涼みながら話したり、酒を飲んだり、将棋をさしたりしていた。――月のいい晩で、空にはほんの僅かな千切れ雲しかなく、根戸川の水面も明るかったし、対岸のいかずちの家並みも、一軒ずつはっきり見わけられるほど明るかった。現に二人の若い船頭が将棋をさしているが、そこは店の外で、電燈の光などは届かないのに、駒を動かすのに少しも不自由はなかった。――三つの縁台に十二三人いたであろうか、一時間ほどまえまでは子供たちも混っていたし、人数も多かったが、しだいに人が減ってゆき、道の往来も殆んどなくなっていた。
河岸には通船が三艘と、釣舟やべか舟が並べてもやってあり、それらには人けがなく、月光を浴びたまま、ひっそりと身を寄せあっているようにみえた。