Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
五色揚をしているから違反で、ほかのうちはほかの営業をしているから違反じゃないなんて、そんな理屈がとおるかい」
「おばさんの云うように云えばそうなるけどね」と若い巡査はまた帽子をぬいで汗を拭いた、「いいよ、僕にはこの浦粕って土地は向かないんだ、僕は転勤させてもらうことにするよ」
この結末をあさ子が自慢にしたことは云うまでもない。実際にはあとから分署の部長が来て、始末書を取られたか、なにがしかの科料処分になったようだが、「大学出の若いちゃきちゃきの巡査を理詰めで降参させた」というので、あさ子はすっかり女をあげたものであった。その巡査が大学出であったかどうかも、転勤の請願がとおったかどうかも不明ではあるが、――
夏のさかりの或る午後、朝日屋の夫婦が本式の大喧嘩をした。夫婦でひるねをしていたところ、あさ子が足で勘六の頭を蹴った、というのが事の起こりであった。
「大げさなこと云うんじゃないよ」とあさ子が云った、「眼がさめたら汗ぐっしょりで喉が渇いてたから、氷でも取ろうじゃないのって、ちょっと突いてみただけじゃないか」
「ちょいと突くにしても場所があらあ」と勘六はどなった、「女のくせえして寝そべったまんま、仮にも亭主の頭を足で小突くって法があるか、仮に戸口の敷居を踏んづけたって足が曲るってえくれえのもんだぞ」