Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに高品夫人が、あら狐火だわと云い、縁側の外のほうを指さした。――十坪ばかりの庭のはずれに、垣根のようになった樹立があり、そこから先はずっと田圃つづきで、あいだにバスの通る道があるほかは、殆んど家もなかった。そのときは夜であったし、梅雨空のことでまっ暗だから、田植の済んだ田の面さえ弁別できなかったが、かなり遠いところに、赤い小さな火が七つか八つ、横に並んでいるのが見えた。

「どじょう捕ってるだよ」と三十六号船の留さんが云った、「田植のあとでは鉾田のほうでもよくやるだ、ありゃあどじょうを寄せるカンテラだよ」

だが留さんは急に黙った。

その赤い火の群れが、左と右へひろがり、同時に数も三倍くらいになった。少なくとも二十くらいになり、その位置も一段ほど上へあがったのである。これは人の話ではなく、私が現実に自分の眼で見たことだ。その赤い火は初め七つか八つであり、それが突然、左右へ数を増してひろがり、一段ほど高くあがったのだ。

「狐火だ」と留さんが云った、「おっかねえ」

「留さん初めてじゃないでしょ」と高品夫人が云った。

「おら見ねえことにしてるだ」と留さんは答えた、「あれを見ると化かされるっていうだからな」