Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

いってみると、そこにはもう集まって来たべか舟の灯が十五六も見え、すでに仕掛を始めている者もあった。――私は倉なあこのするのを見たが、まえに記した袋の口の四カ所を、二本の女串に結び付け、その女串を水の中の砂に立てる。すると袋の口はほぼ四角形にあいて、下辺が砂地にぴったり着き、穴をぬけたごかいが流れて来れば、しぜんとその袋の中へはいる、というわけであった。――倉なあこは仕掛をしながら、例のゆっくりした訥弁で、以上のことを説明してくれたのだが、その説明が終るのを待っていたように、誰かが私に呼びかけた。

振り返ってみると、反対側の砂嘴に、幸山船長がカンテラを持って立っていた。

「ごかい捕りかね」と船長が云った。

私が答えると、船長は片手に持っている袋を、胸の高さまであげてみせた。

「今夜はぬけるのが早かっただ」と幸山船長はしゃがれ声で云った、「おらもう捕ったからけえるとこだよ」

それから人恋しげな口ぶりで、問いかけるように云った、「いっしょに船へ来ねえかね」

私は倉なあこを見たが、彼は黙って次の仕掛をやっていた。ちょっと迷ったが、人恋しげな船長の口ぶりは私をとらえてしまい、それを振り切ることはできなかった。