Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
私は起き直って本を閉じ、釣竿をあげて帰り支度にかかったが、ふと、その話し声にひきつけられて手を止めた。
「よう、いいじゃねえかよ、なあ」と若わかしい男の声がなにかをせがんでいた、「なあってば、なんでもありゃしねえだからよう」
「よしな、まあ」と女の拒む声がした、「おらそんなこと知らねえもの、ええ、よせってばあ、悪いことすんならおらけえるだ」
「とくあねが病気になっただって」と男の声が云った、「きんのけえって来たってほんとかよ」
「おら知んね、ああ知ってる」女の声は少しやわらいだ、「流産してっからあんべえが悪いだって、暫く家で養生するような話だっけだ、いやんなっちゃう」
「なにがよ」
「女がよ、お産だの流産だのって、苦しいめにあうのはいつも女だ、ひん」慥かにそのとき女は「ひん」という声をだした、「あああ、いやだ」と女の声は続けた、「世の中に男ってものがいっから女が苦しむだ、男なんかみんないなくなればいいだ」
「女だって苦しむだけじゃねえだよ」と男が云った、「そうじゃねえだよ」どうやら彼には反論がみつからないとみえ、また話を変えた、「中堀のみよっこが足を挫いたってことを知ってっか」