Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
こういう場合には私は無関心をよそおうことにしている。この種の女性たちはいちように嘘言癖をもっていて、その身の上話の九分九厘までは作りごとであり、読んだ小説か母もの映画のバリエイションときまっていた。ところが、こちらで興味を示さず、聞きたくないふうをよそおっていると、約三〇パーセントぐらいの割合で、本当の身の上を語りだすことがあった。
私は気乗りのしない口ぶりで質問し、栄子は肩をゆさぶった。
「先生もわかりきったこと訊くわね、このとおりあたいは生きてるよ」と栄子は云った、「飲ましてね」
私は黙って自分の酒を啜った。
「あたいぱあっとしたことが好きなのよ」と栄子は云った、「めしだって鬼の牙みたいにぱりっと炊いたのをさ、沢庵かなんかでざくざく茶漬にして掻っこむのが好きさ、やわっこいめしだのおじやなんぞ大っ嫌いさ、だからぱあっと心中しちゃう気になったのよ」
私はまた冷やかに訊いた。
「ああそのことか、ふふう」と栄子は鼻へぬける妙な笑いかたをした、「わかってるじゃないの、あたいこうしてここに生きてるんだもの、死ぬっくらい心中しちゃったら生きてられやしないでしょ、しっかりしてよ先生」