Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
女にはほかにしんじつ夫婦約束をした男がいる、というのである。新川堀の畳屋の職人で、あと半年ほど経つと自分で店を持つことになっており、女の荷物やなにかはその男のところへ持ち込んであるが、店を持つときが来るまで、留さんのところで食いつないでいるのだ、ということであった。
この第二報は通船の若い水夫たちがもたらしたものだ。水夫たちが彼女を訪問したのは、そう長い期間ではなかった。なぜかというと、女が不縹緻で荒っぽいばかりでなく、まるで「吸出し膏薬」のようだから、というのである。
「三十二号船の仁公は十六貫もあったによ」と水夫の一人は云った、「五たびか六たびかよったらおめえ三貫目も痩せたっていうだ」
あれではあとで滋養を摂らなければならないから、却って高いものにつくのだ、というのがかれらの説であった。こうして一人また一人と落伍してゆき、ついには誰も寄りつかなくなったのであるが、或るとき一人の若い水夫が、勤務ちゅうにとつぜん血が騒ぎだし、船が篠咲に着くなりとびおりて、抑制することのできない衝動を抱えながら留さんの家へ駆けつけた。ところがそこに先客があり、まっぴるまだというのに戸閉りをした家の中で、壮烈な太神楽を演じていた。