Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
どっちを見てもすっかりようすが変っていた。川沿いにあった草原や荒地には、すっかり家が建ち並び、川の中央にある小さな妙見島にも工場の建物が犇いている。――蒸気河岸にはコンクリートの高い堤防がめぐらされ、地盛りをしたために、船宿や人家は道から一メートル以上も低くなってしまった。
「ああ、千本の店がある」と私は云った、「あれが長のいた船宿の千本だよ」
同伴した二人は「青べか物語」を読んでいたので、船宿「千本」と、こまっちゃくれた少年の長を知ってい、私の感動をすなおに受けいれてくれるようであった。まず「千本」を訪ねてみよう、私は車を蒸気河岸へ廻らせながら、どうか長がいてくれるようにと、それがそらだのみだということを覚悟しながら、心の中で熱心に祈った。
「待てよ」と私は思い直して云った、「先にぼくのいた家を見ておこう、車をそっちへやってくれないか」
車を蒸気河岸とは反対のほうへ、ゆっくりと走らせた。ごったくやの「喜世川」、次に「澄川」などの家がみつかったが、小料理の看板は出ていなかった。貧しげな小さい家がごたごたと並び、子供たちの遊んでいる土堤にはあまり草もなかった。