Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
私はそこの人たちとは知りあう機会がなかった。職人の一人すら顔を知らずじまいだったが、青べかが浦粕における私の生活の中心であったというだけで、なにか云いあらわしがたい親近感を持っていたのである。
――石灰工場主の代が替り、いかずちの船大工はつぶれたか。
私は心の中でそう呟いた。しかし、そのまえに、そうだ、私は少しいそぎすぎたようだ、「千本」の店を出るとすぐ、私は洋食屋の「根戸川亭」を見たのだ。根戸川亭もつぶれて、住む者もない建物は表を閉めたまま、泥のはねだらけになってい、看板もなにもなく、よごれた窓硝子と、羽目板の色あせ剥げちょろけた青ペンキだけが、僅かに昔のなごりをとどめているようであった。
――ああ、根戸川亭もつぶれちまっただよ。
長はむぞうさにそう云った。そして籠屋のおたまが、「おつゆちゃんは十二で――」うんぬんと報告した娘の家の綿屋も、やはり失敗してどこかへいってしまい、その家もまた空家になっていたのだ。
「沖の弁天はまだあるか」
「あんよ、弁天へいってんべえ」
私たちは土堤をさらに川下のほうへくだった。長は先に立って、話しながらさっさと歩いてゆく。