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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

洗い場の騒ぎはなお続いてい、長の叫び声が、その騒ぎを縫うように聞えた。よせ、やめろ、と長は叫んでいた。先生が怒るぞ、――よさねえか、先生が来るぞ、――私は事の意外さにとまどった。青べかをもっとも軽侮していたのは長であった。それがまだ三本松の脇の道傍で、舟底を上に干されていたとき、長は鼻柱に皺をよらせて「あのぶっくれ舟」と云い、見るのもいやだというふうにそっぽを向いた。その日の騒ぎも、おそらく長が音頭取りだろうと思っていたのである。――しかしそうではなかった。長はかれらの暴力から青べかを護ろうとしているのだ。私はとまどい、そうして少しばかり感動した。

「まあおちつけ、用心しろ」と私は自分に云った、「そうやすやすと感傷的になるな、長はしたたか者だぞ」

騒ぎがしずまり、悪童どもは去った。そろそろ暗くなりはじめたころ、もういいだろうと思って、私はようすを見るために土堤へ出ていった。ずいぶん石を投げつけたようだし、「ひっくら返す」と云っていたそうで、どんなことになっているか、その場へいって見るまではちょっと不安な気持だった。

堤へ登ってみると、舟はなかった。