Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
それからまたこうも云ったそうである、「源太が諄くそんなことを云うんなら、出るとこへ出てしろくろをつけべえ」
源太は頭を垂れた。
彼は出るところへ出たのだ。県の警察本部までゆき、金も地位もない者がどんな扱いを受けるかということを、自分ではっきりと経験した。そうして「大蝶」という顔役を背景にした船長が、出るところへ出るとすれば、その結果もまたわかりきったものであった。
源太の酒浸りが始まった。彼は堀東の助二郎の漁船へ乗ることになったが、漁から戻るとその足で酒屋へはいった。堀の山城屋という店で、塩か福神漬を摘みながら濁酒とか焼酎などを飲み、ぐでぐでに酔ってから家へ帰るのであった。――裏長屋の柱も傾きかかった家には、妻と娘が二人いた。上がお繁であり、下はまだ生れたばかりであった。帰って来た源太はむやみに喚きちらし、少しでもさからうと猛りたって、妻と娘を死ぬようなめにあわせた。
「うぬらもかたきだ」と彼はどなる、「寄ってたかっておらを踏みつけにしやあがる、さあ、くやしかったらおんだらの機械船を返してみろ」
「なんでも持ってけ」と彼はまたどなる、「こんな貧乏人の物が欲しけりゃあなんでも呉れてやる、さあ、手でも足でも頭でも持ってけつかれ、なんでも呉れてやるぞ」