Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうして、右の眉の下に大きいほくろはないか。」

「よく御存じで……。」と、張訓もおどろいた。

「むむ、知っている。」と、将軍は大きくうなずいた。「おまえの妻はこれまで、二度もおれの枕もとへ来た。」

驚いて、呆れて、張訓はしばらく相手の顔をぼんやりと見つめていると、将軍も不思議そうにその子細を説明して聞かせた。

「実は半年ほど前に、おまえ達を呼んでおれの扇子をやったことがある。その明くる晩のことだ。ひとりの女がおれの枕もとへ来て、昨日張訓に下さいました扇子は白扇でございました。どうぞ御直筆のものとお取換えをねがいますと、言うかと思うと夢がさめた。そこで、念のためにお前をよんで訊いてみると、果してその通りだという。そのときにも少し不思議に思ったが、まずそのままにしておくと、またぞろその女がゆうべも来て、先日張訓に下さいました鎧は朽ち破れていて物の用にも立ちません。どうぞしかるべき品とお取換えをねがいますと言う。そこで、おまえに訊いてみると、今度もまたその通りだ。あまりに不思議がつづくので、もしやと思って詮議すると、その女はまさしくお前の妻だ。年ごろといい、人相といい、眉の下のほくろまでが寸分違わないのだから、もう疑う余地はない。