Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
僕が水をくれと言うと、彼は快くバケツの水を水筒に入れてくれたが、やはり何か口早にささやくのである。それが僕にはどうしても呑み込めないので、彼も焦れて来たらしく、再び木の枝を取って、「家有妖」と土に書いた。それで僕にも大抵は想像が付いた。僕は「鬼」という字を土に書いて見せると、それは知らない。しかしあの家には妖があると彼は答えた。この場合、鬼と妖とはどう違うのか判らなかったが、この家はなにか一種の化物屋敷とでもいうものであるらしいことだけはまず判った。要するに、あの家には妖があるから、うかつに入り込むのはよせというのである。僕は彼に礼をいって別れた。
引っ返してみると、僕の出たあとへ一人の老人が来て、しずかに他の人たちと話していた。四人のうちでは比較的支那語をよくするT君がその通訳にあたっていて、僕たちに説明してくれた。
「この老人はこの家に三十年も奉公している男で、ほかにも四、五人の奉公人がいるそうだ。このあいだから眼のまえで戦争がはじまっているので、家内の者はみな奥にかくれている。したがって、別段おかまい申すことは出来ないが、茶と砂糖はある。裏の畑に野菜がある。