Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
野水の方はおくれて来て、半月ばかりも逗留している。そこで、なんでも九月のはじめの晩のことだといいます。主人の増右衛門が自分の知人でやはり俳諧や骨董の趣味のあるもの四人を呼びまして、それに、野水と文阿を加えて主人と客が七人、奥の広い座敷で酒宴を催すことになりました。
呼ばれた四人は近所の人たちで、暮れ六つごろにみな集まって来ました。お膳を据える前に、まずお茶やお菓子を出して、七人がいろいろの世間話などをしているところへ、ぶらりとたずねて来たのは坂部与茂四郎という浪人でした。浪人といっても、羊羹色の黒羽織などを着ているのではなく、なかなか立派な風をしていたそうです。
御承知でもございましょうが、江戸時代にはそこらは桑名藩の飛地であったそうで、町には藩の陣屋がありました。その陣屋に勤めている坂部与五郎という役人は、年こそ若いがたいそう評判のよい人であったそうで、与茂四郎という浪人はその兄さんに当るのですが、子供のときからどうもからだが丈夫でないので、こんにちでいえばまあ廃嫡というようなわけになって、次男の与五郎が家督を相続して、本国の桑名からここの陣屋詰を申付かって来ている。