Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「それはいいあんばいだ。」と、羊得もよろこばしそうに言った。

「こっちの気が張っているので、妖怪も付け込むすきがなくなったのかも知れない。やっぱり出陣した方がよかったな。」

そんなことを言っているうちに、張訓は俄かに耳をかたむけた。

「あ、琵琶の音がきこえる。」

それが羊得にはちっともきこえないので、大方おまえの空耳であろうと打ち消したが、張訓はどうしても聞えると言い張った。しかもそれは自分の妻の撥音に相違ない、どうも不思議なこともあるものだと、かれはその琵琶の音にひかれるように、弓矢を捨ててふらふらとあるき出した。羊得は不安に思って、あわててそのあとを追って行ったが、張の姿はもう見えなかった。

「これは唯事でないらしい。」

羊得は引っ返して三、四人の朋輩を誘って、明るい月をたよりにそこらを尋ねあるくと、村を出たところに古い廟があった。あたりは秋草に掩われて、廟の軒も扉もおびただしく荒れ朽ちているのが月の光りに明らかに見られた。虫の声は雨のようにきこえる。もしやと思って草むらを掻きわけて、その廟のまえまで辿りつくと、さきに立っている羊得があっと声をあげた。