Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
のあとに付いてゆくのが、なんだか可哀そうなようにも見えました。
「お嬢さん。ごらんなさい。あの御新造の顔を……。」と、お富はふりかえりながら小声でまた言いました。
まったくお富の言う通り、飯田の御新造の顔容はしばらくの間にめっきりとやつれ果てて、どうしてもただの人とは思われないような、影のうすい人になっておりました。
「もうコレラになっているのじゃありますまいか。」と、お富は言いました。
「まさか。」
とは言いましたが、飯田の御新造の身の上について、わたくしも一種の不安を感ぜずにはいられませんでした。コレラは嘘にしても、なにかの重い病気に罹っているに相違ないとわたくしは想像しました。婦人病か肺病ではあるまいかなぞとも考えました。
そういうたぐいの病気で容易に癒りそうもないところから、いっそ死んでしまいたい、コレラにでもなって死んでしまいたいというような愚痴が出たのを、女中たちが一途に真に受けて、御主人はコレラになりたいと願っているなぞと言い触らしたのであろうとも考えてみました。しかし生魚や天ぷらを無暗にたべるという以上、ほんとうにコレラになって死のうと思っているのかも知れないなぞとも考えられました。