Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
これから僕が話すのも、それにやや似通っているが、それよりも、さらに複雑で奇怪な物語であると思ってもらいたい。
僕の国では謡曲や能狂言がむかしから流行する。したがって、謡曲や狂言の師匠もたくさんある。やはりそれらからの関係であろう、武士のうちにも謡曲はもちろん、仕舞ぐらいは舞う者もある。笛をふく者もある。鼓をうつ者もある。その一人に矢柄喜兵衛という男があった。名前はなんだか老人らしいが、その時はまだ十九の若侍で御馬廻りをつとめていた。父もおなじく喜兵衛といって、せがれが十六の夏に病死したので、まだ元服したばかりのひとり息子が父の名をついで、とどこおりなく跡目を相続したのである。それから足かけ四年のあいだ、二代目の若い喜兵衛も無事に役目を勤め通して、別に悪い評判もなかったので、母も親類も安心して、来年の二十歳にもなったならば、しかるべき嫁をなどと内々心がけていた。
前にいったような国風であるので、喜兵衛も前髪のころから笛を吹き習っていた。他藩であったら或いは柔弱のそしりを受けたかも知れないが、ここの藩中では全然無芸の者よりも、こうした嗜みのある者がむしろ侍らしく思われるくらいであったから、彼がしきりに笛をふくことを誰もとがめる者はなかった。