Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

そしてそれ以来、

(ちょうどよい者が親戚から来たので……)

と、新七の住居に留まっていたのであるが、彼女がこの伊丹にも少ないほど目につくきりょうであるために、まず細工場の大勢の者の口から、ひいては近所合壁も、

(あれは義妹ではあるまいよ)

などと、あらぬ噂がなかなか高い。けれど新七は、そう見られていることを、むしろひそかに歓んでいた。

なぜならば、それもまたこの隠れ家の偽装のひとつになるからである。

「おや……。いらっしゃいませ」

お菊は、裏門の戸を内から開けて、そこに佇んでいる旅の僧を見かけると、何か口籠って、それからは黙然と、ただ迎え入れ、ただ後ろをそっと閉めた。

そして小走りに、義兄のいる小部屋へ来て、

「いま衣笠久左衛門様がお見えになりました」

と、告げた。

居合わせた町人ていの客二人は、

「なに衣笠氏が……」

と、なつかしげに顔見合わせた。

この一人は、母里太兵衛であり、もう一名は栗山善助である。いずれも、ここ伊丹城内の獄中にある主君を救出するために、馬子となり旅商人となり、仲間者となり大道芸人となりなどして、あらゆる苦心のもとに、身なり貌かたちまで変えている人たちであった。