Japanische Klassiker mit Furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
「そなたは常に、城外へ出たいと、口ぐせにいうていたではないか」
「お城の外へならようございます」
「城外へだ。城を出るのだ」
「……でも、おかしいではございませんか」
「どうして」
「殿さまは、ご城主でございましょうが。たくさんなご家中を、どうなされるおつもりですか」
「女の知ったことではない。が、安心のために、一言だけ聞かせてやる。作戦のためにわしがここを出た方がよいのだ」
「そして、どこへお移り遊ばすのですか」
「花隈城へ」
「ではまた、わたくしの身も、その花隈へ押し籠めるおつもりでしょう。それなら同じこと、室はここにおります」
「いや、兵庫まで行ったら帰してやる。あれから船へ乗せて」
「きっとですか。嘘はおさむらいの恥でございますよ」
「よしよし。かならず帰してやる。はやく支度をせい」
「――於菊。於菊」
彼女は侍女部屋へ向って呼んだ。けれど於菊の答えはしなかった。ほかの侍女が来て、どうしたのか、菊どのはこの夕方から姿が見えないと告げた。
「殿さまがお隠しになったのではございませぬか。あれを連れて行かなければ私も参りませんよ」
室殿は勘のするどい眼で村重の面をにらまえた。