Japanische Klassiker mit Furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
それらの情報は白銀屋新七や加藤八弥太を通して細大となく、
「何日何刻に。西門の守りは誰。北門は誰」とほとんど筒抜けに知ることができた。もちろん獄中の主人がなお健在でいることもわかっていた。
けれどただ一つ皆目知れないことがあった。それは新七の義妹の於菊の消息である。村重や室殿に従って、尼ヶ崎城へ移った形跡もないし、城内にもすがたが見えないというのである。
「ことによると、発覚して、不憫なことになり終ったかも知れない」
と同志たちはひそかに語っていた。新七には気の毒にたえないので、彼の前ではなお何もいわずにいたが、新七自身も、それは諦めてしまっているもののようであった。
そして恰度、十月十六日の夕も、その新七が来合わせて、
「十八日の夜更を計って、城内の中西新八郎以下の人たちが、城を開いて織田勢をいちどに招き入れると、両者のあいだに、万端の密計がむすばれたようですから、お望みを達する日も、あと二日、それまでは敵にさとられぬように、お辛くとも此寺でじっとご辛抱して下さい」
などと一同をよろこばせ、また呉々も念を押して町へ帰って行った。それが宵の戌の刻ころだったのである。