Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は、村重が室殿を伴うて脱城した日のすこし前に、これらの人々がいる局の一室に監禁されていた。村重の家族は、村重のいいのこして行った命を守って、最後まで彼女の監視を解かずこれまで共に奔って来たのであるが、今はそうした注意も配ってはいられなかった。さきを争って、城の外へ出ようとしていた。

やがて彼女も、その勢に従いていれば、難なく城門の外へ出されたはずであった。けれど於菊はまわりの者の隙を見ると、突然、群れを離れて、もとの方へ驀に奔っていた。全城すでに焔と見えるその火の下へ。また荒武者と荒武者とが、首を取りつ首を取られつ、雄たけび交わして、火に火を降らせている血戦の中へ、ほとんど、気でも狂ったかのような姿で、彼方此方、奔りめぐっていた。

「……オオ。この坂道の下、あの低い窪地の池」

彼女はついに道を見つけた。それはたった一度、通った覚えのあるところだった。室殿にいいつけられて、蛍を捕りに行ったことのある天神池への細道であった。

五

絵図面の上で知っておいた予備知識と、実際に地を踏んでみた感覚とでは甚だ勝手のちがうものだ。それも平時ならばともかく、こう激戦の中と化した城内であり、目じるしとする建物も樹木も火や煙につつまれ、そして想像していた以上、廓内も広いのであった。