Clásicos japoneses con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lee 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) de 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.097 caracteres · 267 pantallas
とうとう堪えきれなくなって、私はいつしか切株から離れ、あたかも磁石に引かれる鉄片のように、一歩良人の方へと近づいたのでございます……。
が、その瞬間、私は急に立ち止って了いました。それは今まではっきりと眼に映っていた良人の姿が、急にスーッと消えかかったのに驚かされたからでございます。
『この眼がどうかしたのかしら……。』
そう思って、一歩退いて見直しますと、良人は矢張り元の通りはっきりした姿で、切株に腰かけて居るのです。
が、再び一歩前へ進むと、又もやすぐに朦朧と消えかかる……。
二度、三度、五度、幾度くりかえしても同じことなのです。
いよいよ駄目と悟った時に、私はわれを忘れてその場に泣き伏して了いました……。
× × × ×
『何うじゃ少しは悟れたであろうが……。』
私の肩に手をかけて、そう言われる者があるので、びっくりして涙の顔をあげて振り返って見ますと、いつの間に戻られたやら、それは私の指導役のお爺さんなのでした。私はその時穴があったら入りたいように感じました。
『最初から申しきかせた通り、一度逢った位ですぐ後戻りする修行はまだ本物とは言われない。