Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lee 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) de 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.097 caracteres · 267 pantallas

Aozora Bunko

三十七、初対面

『是非とも、一度お目にかかって、いろいろお話を承り、又お力添を願わねばならぬ……。』――そう考えると矢も楯もたまらぬようになり、とうとうその旨を竜宮界にお願いすると、竜宮界でも大そう歓ばれ、すぐその手続きをしてくださいました。

私がこちらで弟橘姫様にお目通りすることになったのはこんな事情からでございます。

三十七、初対面

竜宮界からかねて詳しい指図を受けて居りましたので、その時の私は思い切ってたった一人で出掛けました。初対面のこと故、服装なども失礼にならぬよう、日頃好みの礼装に、例の被衣を羽織ました。

ヅーッと何処までもつづく山路……大へん高い峠にかかったかと思うと、今度は降り坂になり、右に左にくねくねとつづらに折れて、時に樹木の間から蒼い海原がのぞきます。やがて行きついた所はそそり立つ大きな巌と巌との間を刳りとったような狭い峡路で、その奥が深い深い洞窟になって居ります。そこが弟橘姫様の日頃お好みの御修行場で、洞窟の入口にはチャーンと注連縄が張られて居りました。むろん橘姫様はいつもここばかりに引籠って居られるのではないのです。現世に立派なお祠があるとおり、こちらの世界にも矢張りそう言ったものがあり、御用があればすぐそちらへお出ましになられるそうで……。