Clásicos japoneses con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lee 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) de 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.097 caracteres · 267 pantallas
父親は相当高い地位の大宮人で、名は狭間信之、母親の名はたしか光代、そして雛子は夫婦の仲の一粒種のいとし児だったのでした。
指導役のお爺さんはつづいてかく物語るのでした。――
『御身も知るとおり、こちらの世界では心の純潔な、迷いの少ないものはそのまま側路に入らず、すぐに産土神のお手元に引きとられる。殊に浮世の罪穢に汚されていない小供は例外なしに皆そうで、その為めこの娘なども、帰幽後すぐに俺の手で世話することになったのじゃ。しかるに困ったことにこの娘の両親は、きつい仏教信者であった為め、わが児が早く極楽浄土に行けるようにと、朝に晩にお経を上げてしきりに冥福を祈って居るのじゃ……。この娘自身はすやすやと眠っているから格別差支もないが、この娘の指導役をつとめる俺にはそれが甚だ迷惑、何とか良い工夫はないものかと頭脳を悩ましたことであった。むろん人間には、賢愚、善悪、大小、高下、さまざまの等差があるので、仏教の方便も穴勝悪いものでもなく、迷いの深い者、判りのわるい者には、しばらくこちらで極楽浄土の夢なりと見せて仏式で修行させるのも却ってよいでもあろう。――が、この娘としてはそうした方便の必要は毛頭なく、もともと純潔な小供の修行には、最初から幽界の現実に目覚めさせるに限るのじゃ。