Clásicos japoneses con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lee 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) de 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.097 caracteres · 267 pantallas
それは兎に角、あの時私は母の断末魔の苦悶の様を見るに見兼ねて、一生懸命母の躯を撫でてやったのを覚えています。これは只の慰めの言葉よりも幾分かききめがあったようで、母はそれからめっきりと楽になって、間もなく気息を引きとったのでございました。すべて何事も赤心をこめて一心にやれば、必らずそれ丈の事はあるもののようでございます。
母の臨終の光景について、モー一つ言い残してならないのは、私の眼に、現世の人達と同時に、こちらの世界の見舞者の姿が映ったことでございます。母の枕辺には人間は約十人余り、何れも眼を泣きはらして、永の別れを惜んでいましたが、それ等の人達の中で私が生前存じて居りましたのはたった二人ほどで、他は見覚えのない人達ばかりでした。それからこちらの世界からの見舞者は、第一が、母よりも先きへ歿った父、つづいて祖父、祖母、肉身の親類縁者、親しいお友達、それから母の守護霊、司配霊、産土の御神使、……一々数えたらよほどの数に上ったでございましょう。兎に角現世の見舞者よりはずっと賑かでございました。第一、双方の気分がすっかり異います。一方は自分達の仲間から親しい人を失うのでございますから、沈み切って居りますのに、他方は自分達の仲間に親しき人を一人迎えるのでございますから、寧ろ勇んでいるような、陽気な面持をしている