Clásicos japoneses con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lee 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 344.083 caracteres · 673 pantallas
今夜、広海屋というのに逢えば、それで仇敵という仇敵の顔が、すっかり見られるわけ。その上で、きっぱり仇討ちの手立てを立てねばならぬ。
そんな風に、心につぶやいた雪之丞は、大喜利をつとめてしまうと、ふじいろのお高祖頭巾もしっとりと、迎えのかごに身を揺られて、長崎屋から示された、根岸の料亭をさして急ぐのだった。
その当時、大江戸に、粋で鳴った鶯春亭の、奥まった離れには、もう、主人役の長崎屋、古代杉の手焙りを控えて坐っている。
「おお、滅法早う見えられましたな。さあ、これへ」
と、ちこぢこと、笑がおを作って、
「広海屋は、どうしたことか、まだ見えぬ。もうおッつけまいられるであろう。それまで、この家自慢の薄茶でも服って、おくつろぎなさるがよい」
雪之丞がよいほどに、長崎屋と世間ばなしをつづけていると、その中に、廊下でしとやかな足音がして、
「お連れさま、お見えなされました」
と、知らせる、女中のあとから、
「やあ、おまたせしましたな。お屋敷の御用で、急に顔出しをしなければならなかったので――」
と、その場にすがたを現したのが、もう六十路を越したらしい、鬢が薄れて、目の下や、頬が弛んだ、えびす顔の老人、福々と、市楽柄の着つけ、うす鼠の縮緬の襟巻を巻いた、いかにも大商人と思われる男だ。