Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lee 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 344.083 caracteres · 673 pantallas
八
「ほー人くさいぞ!」
八
雪之丞、だしぬけに、不思議な嗄れごえのつぶやきを耳にして、暗々たる杜の中に、ハッと立ちすくんでしまった。
老い、掠れた声がなおつづく。
「人臭いぞ――路上にすがたがないのに、人臭いとは、いぶかしいな? ふうむ、さては物とり追剥のたぐいでも、この杜中に隠れておるかな?」
そして、杖で、大地を、トンと突くような響きがして、
「これ、物蔭にうごめいているのは、何者じゃ? 姿を見せい! この界隈に、魑魅魍魎を住まわせぬことにしている、このじじいに、貴さまの、異形をあらわすがよい。さも無いとことに於いては、この破邪の杖が、ずうんと、飛んでゆくぞよ」
雪之丞は、怪しくも、この低い、地を這うような音声に威迫された。
――おのれ! 貴さまこそいぶかしい奴――他人の大事の瀬戸際に、邪魔を入れようとしおって! 猛然として、圧迫をはじき返そうと、心で叫んだが、相手は、まるで、こちらの心中を読み取ったように、
「突いて来るか、斬って来るか? ハ、ハ、面白い。早う出い。出ればよいのだ」
雪之丞は、殺気を削がれた。
――何者だろう? ひどく、年を取っている奴のように思われるが――