Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans

Aozora Bunko

「およしなさいよ」

と、引きとめた。

そして、わざと小郷の肩に手を掛けながら、

「ねえ、もう一曲踊りましょうよ」

「うん」

小郷はしぶしぶうなずいた。

姦通しているらしい自分の妻のあとを追うて行って撲るという、はしたない真似は、自分の社会的地位を考えると、さすがに出来なかったのと、少しは弓子に未練があったからであろうか。

曲は、「キス・ミイ・アゲン」

弓子にとっては小郷と踊ることぐらい、いやなものはない。

手に触れられることさえたまらないのに、ぐっと抱き寄せられているのだ。

「この手で姉さんが……」

「この酒くさい息を姉さんに……」

そう思うと、小郷の横面をピシャリと撲りつけたい衝動が、むずむず湧いて来る筈だったがしかし、今は不思議に小郷と踊っていることが愉快でたまらなかった。

わざわざ下鴨へ行き、桔梗家を訪ね、そしてキャバレー歌舞伎までついて来た目的がはじめて達せられたという、小気味のよい快感に思わず生理的な不愉快さを忘れていたのだ。

さすがに、小郷は参っていた。

「もっと参らせてやるのだ。もっと苛めてやるのだ!」

弓子は踊りながら、

「あの男の人、誰だかご存知ですか」