Classiques japonais avec furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans
誰からだと思う……?」
と弓子は鶴雄にきいた。
「さア、判らないね。もっとも男からだということはたしかだが……」
「そう。男から……。京都中で一番いやらしい男からよ」
と、弓子は唇を歪めた。
「判った!」
と、小田は思わずドラ声を出した。
「――小郷だ! 小郷からだろう……?」
「ええ」
弓子はうなずいて、
「――あたしホールで小郷と踊ったのよ」
「ふーん」
「見ものだったわ」
「何がさ……?」
「小郷のやつ真青になったわ」
「掏られて……?」
「まさか……。小郷夫人が望月三郎と踊っているところを、掏ったのよ」
「望月三郎……?」
と小田はききかえして、
「きいたような名だなあ。流行歌手だな」
と、言いながら手帳を出した。そして、
「構わなければ、話してくれませんか」
弓子は小野屋旅館でのいきさつや、桔梗家へ訪ねたことや、ホールでの出来事などを語った。
「なるほど、ちゃんと小説になってるね。しかし、いやだね、こんなに偶然がつづいちゃ、こんどの小説はどう考えてみても、通俗小説だね」
と、小田はもう好奇心を起すよりも、むしろ興冷めした顔になって、
「――通俗小説だということになれば、小郷は殺されるかも知れんね」