Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

十二

然し全国皆兵の今日だ。一人息子でも、可愛息子でも、云い聞かされた「国家の為」だ、出せとあったら出さねばならぬ。出さぬと云ったら、お上に済まぬ。近所に済まぬ。そこで父の右腕、母のおもい子の岩吉も、頭は五分刈、中折帽、紋付羽織、袴、靴、凜とした装で、少しは怯々した然し澄ました顔をして、鎮守の宮で神酒を飲まされ、万歳の声と、祝入営の旗五六本と、村楽隊と、一字総出の戸主連に村はずれまで見送られ、知らぬ生活に入る可く往ってしまう。二三日、七八日過ぐると、軒別に入営済の御礼のはがきが来る。

十二

兵隊さんの出代りを村の一年最後の賑合にして、あとは寂しい初冬の十二月に入る。

「稼収平野濶」晩稲も苅られて、田圃も一望ガランとして居る。畑の桑は一株ずつ髻を結われる。一束ずつ奇麗に結わえた新藁は、風よけがわりにずらりと家の周囲にかけられる。ざら/\と稲を扱く音。カラ/\と唐箕車を廻す響。大根引、漬菜洗い、若い者は真赤な手をして居る。昼は北を囲うた南向きの小屋の蓆の上、夜は炉の傍で、かみさんはせっせと股引、足袋を繕う。夜は晩くまで納屋に籾ずりの響がする。突然にざあと時雨が来る。