Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

五

煮て食うのか。儂は泣きたくなった。一生の思出に、一度は近郷近在の衆を呼んで、ピン/\した鯛の刺身煮附に、雪の様な米の飯で腹が割ける程馳走をして見たいものだ。実際此処では魚と云えば已に馳走で、鮮否は大した問題では無い。近所の子供などが時々真赤な顔をして居る。酒を飲まされたのでは無い。ふるい鯖や鮪に酔うたのである。此頃は、儂の健啖も大に減った。而して平素菜食の結果、稀に東京で西洋料理なぞ食っても、甘いには甘いが、思う半分も喰えぬ。最早儂の腸胃も杢兵衛式になった。

五

書が沢山ある家、学を読む家、植木が好きな家、もとは近在の人達が斯く儂の家の事を云うた。儂を最初村に手引した石山君は、村塾を起して儂に英語を教えさせ自身漢学を教え、斯くて千歳村を風靡する心算であったらしい。然し其は石山君の失望であった。儂は何処までも自己本位の生活をした。ある学生は、あなたの故郷は此処では無い、大きな樹木を植えたり家を建てたりはよくない、と切に忠告した。儂は顧みなかった。古い家ながら小人数には広過ぎる家を建て、盛に果樹観賞木を植え、一切永住方針を執って吾生活の整頓に六年を費した。