Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

其杖は今カタミになって、墓守が家の浴室の心張棒になって居る。ある爺さんは、困った事には手が長くなる癖があった。さまで貧でもないが、よく近所のものを盗んだ。野菜物を採る。甘藷を掘る。下肥を汲む。木の苗を盗む。近所の事ではあり、病気と皆が承知して居るので、表沙汰にはならなかったが、一同困り者にして居た。杉苗でもとられると、見附次第黙って持戻ったりする者もあった。此れから汁の実なぞがなくならずにようござんしょう、と葬式の時ある律義な若者が笑った。さる爺さんは、齢は其様なでもなかったが、若い時の苦労で腰が悉皆俛んで居た。きかぬ気の爺さんで、死ぬるまでに世話はかけぬと婆さんに云い云いしたが、果して何人の介抱も待たず立派に一人で往生した。其以前、墓守が家の瓜畑に誰やら入込んでごそ/\やって居るので、誰かと思うたら、此爺さんが親切に瓜の心をとめてくれて居たのであった。よく楢茸の初物だの何だの採っては、味噌漉しに入れて持って来てくれた。時には親切に困ることもあった。ある時畑の畔の草を苅ってやると云って鎌を提げて来た。其畑の畔には萱薄が面白く穂に出て、捨て難い風致の径なので其処だけわざ/\草を苅らずに置いたのであった。