Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
承知したら、彼女は喜んで日々弁当持参で高樹町から有楽町のミシン教場へ通ったが、教場があまり騒々しくて頭がのぼせるし、加上ミシン台の数が少ないので、生徒間に競争が劇しく、ズウズウしい女達が順番になった彼女を押のけてミシンを占領したりするので、彼様な処へは最早行くのは嫌でござりますと云って、到頭女中専門になった。
彼女が奉仕の天使の如く突然高樹町の家に現われてから六月目に、主人夫婦は東京を引払うて田舎に移った。如何に貧乏な書生生活でも、東京で二十円の借家から六畳二室の田舎のあばら家への引越しは、人目には可なりの零落であった。奉公人にはよい見切時である。然しとめやは馴染もまだそれ程深くない主人夫婦を見捨てなかった。彼女は東京に居らねばならぬ身体であったが、当分御手伝をすると云うて、風呂敷に包んだランプをかゝえて彼等に跟いて来た。
東京から引越当座の彼等が態は、笑止なものであった。昨今の知り合いの石山さんを除く外知人とては素よりなく、何が何処にあるやら、何れを如何するものやら、何角の様子は一切分からず。狭いと汚穢とは我慢するとしても、一つ家の寒さは猛烈に彼等に肉迫した。