Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
余市に来て、日本海の片影を見た。余市は北海道林檎の名産地。折からの夕日に、林檎畑は花の様な色彩を見せた。あまり美しいので、売子が持て来た網嚢入のを二嚢買った。
O君は小樽で下り、余等は八時札幌に着いて、山形屋に泊った。
中秋
十八日。朝、旭川へ向けて札幌を立つ。
石狩平原は、水田已に黄ばんで居る。其間に、九月中旬まだ小麦の収穫をして居るのを見ると、また北海道の気もちに復えった。
十時、汽車は隧道を出て、川を見下ろす高い崖上の停車場にとまった。神居古潭である。急に思立って、手荷物諸共遽てゝ汽車を下りた。
改築中で割栗石狼藉とした停車場を出て、茶店で人を雇うて、鶴子と手荷物を負わせ、急勾配の崖を川へ下りた。暗緑色の石狩川が汪々と流れて居る。両岸から鉄線で吊ったあぶなげな仮橋が川を跨げて居る。橋の口に立札がある。文言を読めば、曰く、五人以上同時に渡る可からず。
恐ず/\橋板を踏むと、足の底がふわりとして、一足毎に橋は左右に前後に上下に揺れる。飛騨山中、四国の祖谷山中などの藤蔓の橋の渡り心地がまさに斯様であろう。形ばかりの銕線の欄はあるが、つかまってゆる/\渡る気にもなれぬ。