Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
服部さんの※(「歹+殳」、第4水準2-15-94)後一手に引受けて百版まで売り弘めた野村さんの手を「みみずのたはこと」が今更離れると云うは、嬉しい事ではありません。また私にとっては切腹の皮切りであった「黒い眼と茶色の目」が血が滴り姿で出雲町から尾張町までのこ/\煉瓦の通を引越して行くなども異な気がします。
然し無常が原則で一切の物が動産である見地からは、書の複製権が時の都合で此れから彼に渡るのは普通の事ですし、真実と愛が生命の有機体として書と云うものを見る時は、境遇の変化は生命の成長に伴う自然の結果とも云えます。譬えば旅客が長途の汽車を下りて、大洋の汽船に乗り移るようなもので其処に何の無理もありません。過去に向っては感謝があり、将来に向っては希望があるばかりです。
私は大正二年三月から大正九年九月までの間に於て「みみずのたはこと」の百版、大正三年十二月から大正九年九月までの間に於て「黒い眼と茶色の目」の二十六版を売り弘めた野村さんの熱心に対しあらためて感謝を表します。殊に野村さんが帝都の出版者も数ある中に、福永書店を択んで該二書の世話役を譲った事に対し、而して福永さんが快くこれを引受けた事に対し、私は深いよろこびを感じます。