Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
三
一人前に足らぬ久さんを亭主にもったおかみは、義弟稲次郎の子を二人まで生んだ。其子は兄が唖で弟が盲であった。罪の結果は恐ろしいものです、と久さんの義兄はある人に語った。其内、稲次郎は此辺で所謂即座師、繭買をして失敗し、田舎の失敗者が皆する様に東京に流れて往って、王子で首を縊って死んだ。其妻は子供を連れて再縁し、其住んだ家は隣字の大工が妾の住家となった。私も棺桶をかつぎに往きましたでサ、王子まで、と久さん自身稲次郎の事を問うたある人に語った。
三
背後は雑木林、前は田圃、西隣は墓地、東隣は若い頃彼自身遊んだ好人の辰爺さんの家、それから少し離れて居るので、云わば一つ家の石山の新家は内証事には誂向きの場所だった。石山の爺さんが死に、稲次郎も死んだあと、久さんのおかみは更に女一人子一人生んだ。唖と盲は稲次郎の胤と分ったが、彼二人は久さんのであろ、とある人が云うたら、否、否、あれは何某の子でさ、とある村人は久さんで無い外の男の名を云って苦笑した。Husband-in-Law の子で無い子は、次第に殖えた。殖えるものは、父を異にした子ばかりであった。新家に出た時石山の老夫婦が持て出た田畑財産は、段々に減って往った。