Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

聞きたいのは、沈黙の其一年の消息である。知りたいのは、其死の状である。

*

あくる年の正月、主人夫妻は彼女の友達の一人なる甲州の某氏から彼女に関する消息の一端を知ることを得た。

彼等夫妻は千曲川の滸に家をもち、養鶏などやって居た。而して去年の秋の暮、胃病とやらで服薬して居たが、ある日医師が誤った投薬の為に、彼女は非常の苦痛をして死んだ。彼女の事を知る信者仲間には、天罰だと云う者もある、と某氏は附加えた。

*

某氏はまた斯様な話をした。亡くなった彼女は、思い切った女であった。人の為に金でも出す時は己が着類を質入れしたり売り払ったりしても出す女であった。彼女の前夫は親類仲で、慶応義塾出の男であった。最初は貨殖を努めたが、耶蘇を信じて外川先生の門人となるに及んで、聖書の教を文句通り実行して、決して貸した金の催促をしなかった。其れをつけ込んで、近郷近在の破落戸等が借金に押しかけ、数千円は斯くして還らぬ金となった。彼の家には精神病の血があった。彼も到頭遺伝病に犯された。其為彼の妻は彼と別居した。彼は其妻を恋いて、妻の実家の向う隣の耶蘇教信者の家に時々来ては、妻を呼び出してもろうて逢うた。