Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans

Aozora Bunko

九

弓子は言葉をつづけた。

「つまらない女でも、相手になさいますの?」

小郷は急に笑い出した。

その顔を見ていると、弓子はもう姉のことに触れる気はしなかった。

「この男は少しも悪いことをしたと思っていないのだわ! 言っても無駄だ!」

弓子は話題を変えることにした。

「ところで、今日お伺いしたのは、あたしの社へ、お宅のことで投書が参っておるのですが……」

「ほう……? 投書の内容は……?」

小郷はびくともしなかった。

「隠匿物資のことなんです。下鴨の小郷虎吉の家には、米三百俵、砂糖千斤隠匿されている。摘発しろと言うんです」

弓子は口から出任かせに言った。

「あはは……不平分子共が何を投書しよるか」

小郷はむしろ愉快そうな笑い声を立てた。

「手剛い!」

と、弓子はさすがに舌を巻いた。

「で、投書をのせる前に、一応事実の有無をきいておきたいと思いまして……」

弓子は何だか小郷に圧されそうな圧迫を感じながら、

「――事実ですか」

「事実じゃよ」

「じゃ、投書をのせても構いませんわね」

弓子は食って掛るように言った。

もう姉のことから来る私憤ではなかった。義憤に似た怒りであった。