Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans
三
弓子は残酷な期待に、固唾を飲んで、じっと小郷の顔を見つめた。
瞬間、小郷の顔色がさっと緊張して、みるみる青ざめた。
思わず小郷のステップが乱れた。
弓子は再び自分からリードして、小郷をホールの真中の方へひっ張って行った。
そして、真紀子の方を見ると、真紀子の顔色は、紙のように白くなっていた。
真紀子は何か望月に囁いたらしい。望月もはっとしたらしかった。
「ざまア見ろ!」
と弓子はひそかに腹の中で呟いた。
「クンパルシータ」――この永遠のタンゴといわれる曲は、嫉妬の情を表現したものだという俗説がある。
弓子は小郷の顔に、嫉妬の苦悩が青い皺となって刻まれているのを、小気味よく見つめながら、
「今の方、奥様でしょう……?」
と、小郷の耳に囁いた。
小郷は答えなかった。咄嗟に答えられなかったのだ。
「投書が来るのも無理はありませんわ」
「…………」
「同情しますわ」
「…………」
三
その時「クンパルシータ」の曲が終った。望月と真紀子は、血の気を失った顔のまま、こそこそとホールを出て行った。
小郷は弓子の背中から手を離して、あとを追うて行こうとした。
弓子はしかし小郷の手を離そうとせず、