Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans

Aozora Bunko

鰐が一匹おったんや……」

と、話し出した。

島野二三夫は林檎の唄がすんでから、文若を相手に、ケッセルの「昼顔」という小説の話をしていたが、途中で話を打ち切ると、君勇をつかまえて、

「君、一緒に歌うたおうか」

「へえ、歌いまひょ」

「何うたおう。紅燃ゆる知ってるか」

「へえ」

君勇はふと赧くなった。

小田はすかさず言った。

「おい、島野、なぜこのジンゲル(芸者)が赧くなったか知ってるか」

「おれに気があるからだろう……?」

「莫迦をいえ! 紅燃ゆるが君勇女史の頬を紅燃ゆるにしたんだよ」

呆れるくらい、下手な洒落を言った。

「何どんネ……?」

君勇はまた赧くなっていた。

「三高がなつかしいってことよ」

小田ははすっぱな東京弁を使った。

君勇は、

「あら!」

と、眼をみはった。

そこへ、女中がはいって来て、

「君勇さん、ちょっと……」

君勇は階下へ降りて行った。

「何どす……? 姐さん……?」

「お貰いどんネ」

「どこから……?」

「桔梗家はんどす。お受けやすか」

桔梗家ときいて、君勇は思わずにこりとした。

「桔梗家へ行けば、鶴雄さんに会える……」

君勇は匂うばかりにはにかみながら、