Classiques japonais avec furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lisez それでも私は行く (それでもわたしはいく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 708 caractères · 181 écrans
旦那になろうというのである。
しかし、君勇はもはや旦那を取る気はなかった。落ちぶれた三好と縁が切れて以来、つくづく旦那を取るのがいやになっていたのだ。おまけに、小郷という男はいやでいやで、反吐が出るくらいだったから頭から断っていた。
小郷はしかし執拗に諦めず、無論今夜もそのつもりで来ていたのだ。
だから、君勇が酔いたいといったのをきいて、小郷はもしかしたら君勇もいよいよ気が折れて、うんというつもりじゃなかろうかと、我田引水した。
「まア、飲め、うんといわなきゃ帰らないぞ」
「へえん……おおーけに」
君勇はふと鼻の先で笑って、
「馬鹿は死ななきゃなおらない。うんといわなきゃ帰らない。うふふ……」
と、からかうような洒落を言って、溜飲を下げた。
そこへ、女中がはいって来て、
「旦那はん、お宅からお電話どす」
「電話……? うるさいな。どんな用事じゃ。お前きいとけ!」
「ぜひ旦那はんに出て貰ってくれと、お言いやすのどっせ」
「気の利かん奴じゃ」
小郷はしぶしぶ階下へ降りて行った。
「なんだ……?」
「あ、あたし宮子。随分あっちこっち心当りへ掛けてみたのよ。今新聞社の方が見えて、ぜひお目に掛りたいとおっしゃってるのよ」