Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

「おゝそれながら……」と中音で拍子をとって戸口に立つこともある。「春雨にィ……」と小声で歌うて来ることもある。ある時来たのを捉えて、笊で砂利を運ぶ手伝をさせ、五銭やったら、其れから来る毎に「仕事はありませんか」と云う。時々は甘えて煙草をくれと云う。此家では喫まぬと云っても、忘れてはまた煙草をくれと云う。正直の仙さんは一剋で向張りが強く、智慧者の安さんは狡獪くて軟な皮をかぶって居た。

夏は乞食の天国である。夏は我儕も家なンか厄介物を捨てゝしもうて、野に寝、山に寝、日本国中世界中乞食して廻りたい気も起る。夏は乞食の天国である。唯蚊だけが疵だが、至る処の堂宮は寝室、日蔭の草は茵、貯えれば腐るので家々の貰い物も自然に多い。ある時、安さんが田川の側に跪いて居るのを見た。

「何をして居るのかね、安さん?」

声をかけると、安さんは寝惚けた様な眼をあげて、

「エ、エ、洗濯をして」

と答えた。麦藁帽の洗濯をして居るのであった。処々の田川は彼の洗濯場で、また彼の浴槽であった。

冬は惨だ。小屋かけ、木賃宿、其れ等に雨雪を凌ぐのは、乞食仲間でも威張った手合で、其様な栄耀が出来ぬやからは、村の堂宮、畑の中の肥料小屋、止むなければ北をよけた崖の下、雑木林の落葉の中に、焚火を力にうと/\一夜を明すのだ。