Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

西北の空が真暗になって、甲州の空の根方のみ妙に黄朱を抹った様になる時は、屹度何か出て来る。已に明治四十一年の春の暮、成人の握掌大の素晴しい雹が降った時も然だった。斯う思いながら縁から見て居ると、頭上の日はカン/\照りながら、西の方から涼しいと云うより寧冷たい気が吻々と吹っかけて来る。彼の家から、東は東京、南は横浜、夕立は滅多に其方からは来ぬ。夕立は矢張西若くは北の山から来る。山から都へ行く途中、彼が住む野の村を過ぎるのである。

西は本気に曇った。雷様も真面目に鳴り出した。最早多摩川の向うは降って居るのであろう。彼は大急ぎで下りて、庭に乾してあった仕事着やはだし足袋を取り入れた。帰って北の窓をあけると、面が冷やりとした。北の空は一面鼠色になって居る。日傭のおかみが大急ぎで乾し麦や麦からを取り入れて居る。

北の硝子窓をしめて、座敷の南縁に立って居ると、ぽつりと一つ大きな白い粒が落ちて、乾いて黄粉の様になった土にころりところんだ。

「来たぞ、来たぞ」

四十五歳の髯男、小供か小犬の様に嬉しい予期気分になって見て居ると、そろそろ落ち出した。大粒小粒、小粒大粒、かわる/″\斜に落ちては、地上にもんどりうって団子の様にころがる。