Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

村の者は最早彼の正体を看破して居る。田圃向うのお琴婆さんの曰くだ、旦那は外にお職がおありなすって、お銭は土用干なさる程おありなさるから、と。一度百円札の土用干でもしたいものと思うが、兎に角外にお職がおあんなさる事は、彼自身欺く事が出来ぬ。彼は一度だって農事講習会に出たことは無い。

美的百姓の家は、東京から唯三里。東の方を望むと、目黒の火薬製造所や渋谷発電所の煙が見える。風向きでは午砲も聞こえる。東京の午砲を聞いたあとで、直ぐ横浜の午砲を聞く。闇い夜は、東京の空も横浜の空も、火光が紅く空に反射して見える。東南は都会の風が吹く。北は武蔵野である。西は武相それから甲州の山が見える。西北は野の風、山の風が吹く。彼の書院は東京に向いて居る。彼の母屋の座敷は横浜に向いて居る。彼の好んで読書し文章を書く廊下の硝子窓は、甲州の山に向うて居る。彼の気は彼の住居の方向の如く、彼方にも牽かれ、此方にも牽かれる。

彼は昔耶蘇教伝道師見習の真似をした。英語読本の教師の真似もした。新聞雑誌記者の真似もした。漁師の真似もした。今は百姓の真似をして居る。

真似は到底本物で無い。