Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

自動車は其後余の嫌いなものゝ一であった。

然るに自身乗って見れば、案外乗心地が好い。青山から余の村まで三十分で来た。父が「一家鶏犬一車上、器機妙用瞬間行」なぞ悪詩を作った。工合が好いので、帰りも自動車にした。今度のは些大きく、宅の傍までは来ぬと云う。五丁程歩んで、乗った。栗梅色に塗った真新しい箱馬車式の立派なものだ。米国から一昨日着いたばかり、全速五十哩、六千円出たそうだ。父、母、姉、妻、女は硝子戸の内に、余は運転手と並んで運転手台に腰かけた。

運転手の手にハンドルが一寸捩られると、物珍らしさにたかる村の子供の群を離れて、自動車はふわりと滑り出した。村路を出ぬけて青山街道に出る。識る顔の右から左から見る中を、余は少しは得意に、多くは羞明しそうに、眼を開けたりつぶったりして馳せて行く。坂を下って、田圃を通って、坂を上って、車は次第に速力を出した。荷車が驚いて道側の草中に避ける。鶏が刮々叫んで忙てゝ遁げる。小児の肩を捉え、女が眼を円くして見送る。囂々、機関が鳴る。弗々々、屁の如く放り散らすガソリンの余煙。後には塵も雲と立とうが、車上の者には何でもない。